4週目

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まとめ

エネルギー変換工学 第4週目

水力発電方式

  1. 水路式発電
    • 自然の河川の勾配を利用する方式。
    • 上水槽と河川の下流との落差を利用する。
    • ダムを用いないため、年間の発電量が少なくなる。
    • 沈砂池や長い水路が必要だが、建設費や施設費が安い。
  2. ダム式発電
    • 河川を横切ってダムを築き、貯水した水の落差で発電する方式。
    • 大容量発電が可能で、農業用水や飲料水など多目的に利用できる。
    • 建設費用や工期が多くかかる。
  3. ダム水路式発電
    • ダムで落差を作り、取水した水を圧力水路で発電所に導き、さらに落差を加えて発電する方式。
    • 高い落差と大容量発電が可能。
    • 建設費や施工期間が長い。
  4. 揚水式発電
    • 夜間の余剰電力で上池に水を汲み上げ、必要な時に発電する方式。
    • エネルギー貯蔵が可能で、ピーク時に活用される。
    • 上部貯水池に河川からの流入がない純揚水式と、流入がある混合揚水式がある。

ダムの構造

  • コンクリート重力ダム
  • アーチダム
  • ロックフィルダム

水車の分類

  1. 衝動水車
    • ノズルによって水の位置エネルギーを運動エネルギーに変換。
    • 代表例:ペルトン水車(高落差、小水量の場合に適する)
  2. 反動水車
    • 高い落差を持つ水圧管の下端で水の位置エネルギーを圧力エネルギーに変換。
    • 代表例:フランシス水車(中落差、流量が多い場合に適する)
    • 代表例:プロペラ水車(カプラン水車、低落差、流量が大きい場合に適する)

その他の概念

  • 比速度: ある水車と幾何学的に相似なランナを仮定し、単位落差で単位出力を発生する時の回転速度。
  • キャビテーション: 水車内で局所的に圧力が低下し、水が蒸発して気泡が発生し、これが潰れる際に水車に衝撃を与える現象。
  • 揚水発電所のポンプ: 水車と発電機に加え、揚水用ポンプと電動機が必要。別置式、タンデム式、ポンプ水車式がある。

水車発電機の種類と特性

  • 三相交流発電機: ほとんどの発電所で使用される。構造が堅牢で、軸に直結された励磁機により励磁。
  • 誘導発電機: 誘導電動機の回転子を同期速度以上に回転させて発電。構造が簡単で強く、コストが低い。小規模発電所に適している。

参考動画

この週では、水力発電の様々な方式とそれぞれの特徴、水車の構造と分類、揚水発電の仕組み、発電機の種類と特性について学びます。

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確認問題
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