まとめ
1. 測定方法の種類
高電圧の測定には、以下の方法がある:
- 分圧器
- 静電電圧計
- 振動コンデンサ電圧計
- 計器用変圧器
- 球ギャップ
- ポッケルス素子
2. 分圧器の種類と原理
抵抗分圧器 (Resistive Voltage Divider)
- 原理: オームの法則を利用
- 特徴: 多数の抵抗器を直列に接続し、分圧比に応じて電圧を分割
- 利点: 直流電圧の測定に向いている
- 欠点: 発熱があるため、測定時間に制限が必要
- 例: 1.5 MV 級 シールド抵抗分圧器
容量分圧器 (Capacitive Voltage Divider)
- 原理: 静電誘導を利用
- 特徴: 容量によって電圧を分割
- 利点: 発熱しないため、交流電圧の常時測定に適している
- 欠点: 直流電圧の測定には不向き
3. 静電電圧計 (Electrostatic Voltmeter)
- 原理: 静電気力を利用
- 構造: 固定電極と可動電極から成る
- 特徴: 電圧の瞬時値の2乗に比例する引力を利用して実効値を測定
- 利点: 直流と交流の区別なく電圧の実効値を測定可能
4. 振動コンデンサ電圧計 (Vibrating Capacitor Voltmeter)
- 原理: 振動するコンデンサの誘導電荷を測定
- 特徴: 可動電極が左右に振動し、その誘導電荷の増減から交流電圧を測定
- 用途: 人体電位測定器などに応用
5. その他の測定器
- 計器用変圧器: 電磁誘導を利用して高電圧を低電圧に変換し測定
- 球ギャップ: 放電現象を利用して電圧を測定
- ポッケルス素子: 光学現象を利用して電圧を測定
6. 容量分圧器の詳細
- 利用: 交流専用
- 例: 島津製作所のEL-3型 (5~50kV)
まとめ
高電圧の測定には多様な方法があり、それぞれに利点と欠点があります。抵抗分圧器と容量分圧器は、電圧を分割するための代表的な方法であり、静電電圧計や振動コンデンサ電圧計は、それぞれの物理的原理を利用して電圧の実効値を測定します。これらの測定器の選択は、測定対象の特性や用途に応じて最適なものを選ぶことが重要です。
確認問題セット1セット2セット3
‣
‣
‣