3週目

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まとめ

直流高電圧の発生方法

1. 静電気の起電による方法

  • 原理: 物体間の摩擦により、電子が移動し帯電する現象を利用。
  • 例: バンデグラフ起電機
    • 構造: ゴムベルト、金属球殻、針など。
    • 特徴: 電荷を表面に蓄えることで高電圧を発生。
    • 制限: 表面の電界強度が 3×10^6 [V/m] 以下であること。

2. 直流電源回路による方法

  • 基本原理: 変圧器の二次側から交流電圧を得て、整流回路を通して直流電圧を生成。
  • 主要回路:
    • 半波整流回路:
      • 構造: 変圧器、整流器、平滑コンデンサ。
      • 動作: 交流電圧の一方の半周期を整流して直流に変換。
      • 特徴: リプル電圧が存在し、平滑コンデンサによって平滑化。
      • 注意点: コンデンサの容量が大きいほどリプルは減少するが、コストと重量が増加。

3. コッククロフト・ウォルトン回路

  • 原理: 直流高電圧を複数段に分けて順次積み重ねることで高電圧を発生。
  • 用途: 高電圧が必要な装置や加速器など。
  • 構成: ダイオードとコンデンサの段列。
  • 利点: 高電圧を安定的に供給。
  • 事例: 医療用レントゲン撮影装置。

詳細な発生方法

静電気の起電

  • 帯電列: 物体の材質により正負に帯電する順序。
  • バンデグラフ起電機: ゴムベルトで電荷を金属球殻に運び、高電圧を発生。
    • 電圧の限界: 表面の電界強度が 3×10^6 [V/m] を超えると電荷が逃げ始める。
    • 球の半径を大きくする: より高い電圧の生成が可能。

直流電源回路

  • 半波整流回路の動作:
    • プロセス: 変圧器から得た交流電圧を整流器で直流に変換し、平滑コンデンサでリプルを低減。
    • 平滑: コンデンサによる充放電で電圧を平滑化。
    • 整流器: 高い耐電圧を持つ必要がある。
  • コッククロフト・ウォルトン回路の特徴:
    • 電圧の増幅: ダイオードとコンデンサの多段構成により高電圧を生成。
    • 電圧の安定性: 負荷電流の変動に対しても比較的安定した高電圧を供給。

まとめ

直流高電圧の発生方法には、静電気の起電や直流電源回路、コッククロフト・ウォルトン回路などがあり、それぞれの方法には特有の利点と制約があります。これらの方法は、高電圧が必要な応用分野に応じて選ばれ、使用されています。

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