まとめ
直流高電圧の発生方法
1. 静電気の起電による方法
- 原理: 物体間の摩擦により、電子が移動し帯電する現象を利用。
- 例: バンデグラフ起電機
- 構造: ゴムベルト、金属球殻、針など。
- 特徴: 電荷を表面に蓄えることで高電圧を発生。
- 制限: 表面の電界強度が 3×10^6 [V/m] 以下であること。
2. 直流電源回路による方法
- 基本原理: 変圧器の二次側から交流電圧を得て、整流回路を通して直流電圧を生成。
- 主要回路:
- 半波整流回路:
- 構造: 変圧器、整流器、平滑コンデンサ。
- 動作: 交流電圧の一方の半周期を整流して直流に変換。
- 特徴: リプル電圧が存在し、平滑コンデンサによって平滑化。
- 注意点: コンデンサの容量が大きいほどリプルは減少するが、コストと重量が増加。
3. コッククロフト・ウォルトン回路
- 原理: 直流高電圧を複数段に分けて順次積み重ねることで高電圧を発生。
- 用途: 高電圧が必要な装置や加速器など。
- 構成: ダイオードとコンデンサの段列。
- 利点: 高電圧を安定的に供給。
- 事例: 医療用レントゲン撮影装置。
詳細な発生方法
静電気の起電
- 帯電列: 物体の材質により正負に帯電する順序。
- バンデグラフ起電機: ゴムベルトで電荷を金属球殻に運び、高電圧を発生。
- 電圧の限界: 表面の電界強度が 3×10^6 [V/m] を超えると電荷が逃げ始める。
- 球の半径を大きくする: より高い電圧の生成が可能。
直流電源回路
- 半波整流回路の動作:
- プロセス: 変圧器から得た交流電圧を整流器で直流に変換し、平滑コンデンサでリプルを低減。
- 平滑: コンデンサによる充放電で電圧を平滑化。
- 整流器: 高い耐電圧を持つ必要がある。
- コッククロフト・ウォルトン回路の特徴:
- 電圧の増幅: ダイオードとコンデンサの多段構成により高電圧を生成。
- 電圧の安定性: 負荷電流の変動に対しても比較的安定した高電圧を供給。
まとめ
直流高電圧の発生方法には、静電気の起電や直流電源回路、コッククロフト・ウォルトン回路などがあり、それぞれの方法には特有の利点と制約があります。これらの方法は、高電圧が必要な応用分野に応じて選ばれ、使用されています。
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