まとめ
エネルギー変換工学 第5週目
熱エネルギーの変換
- 熱の性質と気体の状態変化
- 温度: 物体の冷熱の度合いを示す指標。絶対温度はKで表され、-273℃が絶対零度。
- 比熱: 物体の単位質量の温度を1度上げるのに必要な熱量。比熱C、質量mの物体の熱容量qはq = Cm。
- 熱から機械的仕事の変換
- 熱量Qと機械仕事Wの関係: Q = AW(Aは仕事の熱当量)。
- 内部エネルギーの変化: 物体に熱を加えると内部エネルギーが増加し、外部に仕事を行う。
- エンタルピー(i): 物体の内部エネルギーと圧力エネルギーの和。
- 気体の変化
- 等温変化: 温度が一定の状態で気体の圧力と容積は反比例する(pv = K)。
- 定圧変化: 圧力が一定の状態で気体の温度に比例して容積が変化する(pv/T = R)。
- 断熱変化: 熱の出入りがない状態での気体の変化(Pv^γ = K)。
- エントロピー(s)
- エントロピーの変化: 物体に熱を加えるとエントロピーが増加し、熱を奪うと減少する。
- エンタルピーとの関係: エンタルピーiの変化に比例し、ds = di/T。
- 水蒸気の特性
- 飽和温度: 一定圧力で水が蒸発する温度。1気圧で100℃、20気圧で211℃。
- 飽和蒸気と過熱蒸気: 飽和温度に達した蒸気をさらに加熱すると過熱蒸気になる。
熱サイクル
- 熱の機械エネルギーへの変換
- 熱量dQと内部エネルギーdu、仕事dwの関係: dQ = du + Adw。
- 熱サイクルの種類
- カルノーサイクル: 等温変化と断熱変化の組み合わせ。効率は最も良いが実現が困難。
- 内燃機関サイクル: 実際の内燃機関で使われるサイクル。等圧、等積、等積-等圧のサイクルがある。
- ガスタービンサイクル: 圧縮前後のガスの圧力P1、P2で構成されるサイクル。
- ランキンサイクル: 蒸気サイクルで最も重要なサイクル。飽和水から過熱蒸気までの変化を含む。
- 再熱サイクルと再生サイクル
- 再熱サイクル: 蒸気を再加熱して効率を向上。
- 再生サイクル: 蒸気を数段階に分けてタービン外に抽出し、給水を加熱して効率を向上。
発電所の熱効率
- 発電所の構成
- ボイラ: 燃料の熱量を蒸気の熱エネルギーに変換(効率85-90%)。
- タービン: 蒸気の熱エネルギーを機械エネルギーに変換(効率84-94%)。
- 発電機: 機械エネルギーを電気エネルギーに変換(効率98%)。
- 発電所熱効率(η)
- η = ηb × ηc × ηt × ηg
- 正味の熱効率(η'): 発電所内の補機などに消費する動力を差し引いた効率。
- 発電所熱消費率
- 1kWhの電力を発生するのに必要な熱量(H = 3600/η [kJ/kWh])。
この週では、熱エネルギーの変換とその基礎概念、熱サイクルの種類と効率、発電所の構成と熱効率について学びます。
確認問題セット1セット2セット3
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