3週目

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まとめ

エネルギー変換工学 第3週目

力学的エネルギーの基礎:

  1. 力学的エネルギー:
    • 力学的エネルギーとは、物体に力を加えて移動させる際の仕事の能力を指します。
    • 仕事の大きさは「力 × 距離」で表され、1[J] = 1[N] × 1[m] です。
  2. 力の定義:
    • 摩擦のない水平面上で質量1[kg]の物体に1[N]の力を1[s]間加えると、速度が0[m/s]から1[m/s]に増加します。このときの力を1[N]と定義します。
    • 加速度は速度の変化率であり、1[m/s²]です。
  3. 重力の影響:
    • 地球上での重力はF=Mgで表され、gは9.8[m/s²]です。
    • 1[kg]の物体には9.8[N]の重力が働きます。
  4. 位置エネルギー:
    • 位置エネルギーは、高さh[m]にある物体が持つエネルギーで、Mgh[J]で計算されます。
    • 例えば、102[g]の物体を1[m]持ち上げると、1[J]の位置エネルギーが必要です。
  5. 運動エネルギー:
    • 物体が速度V[m/s]で運動する際のエネルギーで、1/2MV²[J]で計算されます。
    • 力Fを加えて速度をV1[m/s]からV2[m/s]に増加させた場合の仕事Eは、E = 1/2M(V2² - V1²) です。

エネルギーの基本単位:

  • エネルギーの単位はジュール[J]です。
  • 1[kWh]は860[kcal]に相当し、1[kg]の水の温度を1[℃]上げるための熱エネルギーは1[kcal]です。

流体力学の基礎:

  1. 水の特性:
    • 水の重さは1g/cm³ @ 4℃です。圧力による体積変化は非常に小さいため、実用上無視できます。
  2. 水中の力の作用:
    • 水中の物体に働く力はその面に直角で均等に働きます。深さH[m]の水柱の底面に働く力Wは、W = wHAです。
  3. 連続の式:
    • 水流の密度をρとすると、断面積Aを持つ水路を流れる流量Qは、Q = Av = const です。
  4. ベルヌーイの定理:
    • 位置エネルギー、運動エネルギー、圧力エネルギーの和は一定であり、これを位置ヘッド、速度ヘッド、圧力ヘッドと呼びます。

水力発電の原理:

  1. 水力発電:
    • 高所の水の位置エネルギーを水車により機械エネルギーに変換し、発電機を回転させて電気を生み出します。
    • 有効落差Hは総落差Hgから損失落差Hl(水管の摩擦など)を引いた値で計算されます。
  2. 発電効率:
    • 水車効率ηwと発電効率ηGを考慮して、発電機の電気出力PGは、PG = 9.8QHηwηG [W]です。

参考資料:

この週では、力学的エネルギーとその基本的な原理、流体力学の基礎、水力発電の仕組みと効率について学びます。

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